「疾病保障付き住宅ローン」の人気
がん、脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)の3大疾病などになった場合に残額の返済を免除する「疾病保障付き住宅ローン」が人気を集めています。三井住友銀行が昨年10月に発売したところ、1年間で約2000億円を貸し出すヒット商品となり、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行などの大手だけでなく地銀や信金なども相次いで参入しています。
しかし、残額ゼロとなるタイミングや保険料負担などに関して商品による差が大きく利用者には注意が必要です。
三井住友銀行は、仏BNPパリバグループのカーディフ損害保険(東京都渋谷区)と組んで、昨年10月「もしもの時は残高ゼロ」をうたい文句に3大疾病保障付き住宅ローンを発売。新規実行額の約15%を占める人気商品となっています。
住宅ローン契約者の大半は団体信用生命保険(団信)に加入しており、死亡や高度障害では残債免除となります。しかし、病気にかかると医療費がかさむ上、仕事ができなくなったり復帰できても収入が減るという不安に対応できないかとの商品開発の背景があるようです。今年8月にはさらに5つの重度慢性疾患を対象とした商品も発売しています。
保険会社にとってもヒットでカーディフは10月現在、全国の47金融機関に保険を提供している。
一方、三菱東京UFJでは今年3月、高血圧症、糖尿病など三井住友よりカバーする範囲を広げた「7大疾病保障付き」を投入。ほぼ半年間で約3500億円を貸し出し、加入割合は4割弱となった。みずほ銀行も「現場からの声に押され」(ローン営業開発チーム)、7月中旬に参入した。信金などの地域金融機関も相次いで参入。住宅公庫も来年4月の独立行政法人化を契機に導入するという。
しくみは商品ごとに異なります。異なる内容として、ローン残高ゼロになるタイミングや、免除対象となる病気、支払い方法などに差があります。
三井住友の場合、がんと診断されればすぐに、心筋梗塞と脳卒中なら60日以上働けなかったり後遺症が続くと残高ゼロになる。保険料は、金利に0.2〜0.3%上乗せとなり、本来は保険料が低いはずの若い世代にとっては負担が多くなります。
三菱東京UFJでは、残高ゼロになるのは働けない期間が30日を超えて1年間(合わせて13カ月)続いてから。ただ、保険料は若い間は低く年齢が上がるにつれて高くなる。ローン残額が少なくなれば途中で解約することもできる。
地域金融機関も含め、後発組は三井住友型が主流。単純な金利上乗せ方式が、「わかりやすく、安定的運営ができる」(みずほ銀行)とみているようです。