監査法人 解任反論
金融庁は監査法人が業務を請け負った上場企業から解任された場合、監査法人側が投資家に即座に経緯や理由を説明できる反論制度の検討に入りました。現状では企業に都合の良い情報が一方的に流されかねないため、投資家保護上、監査法人側の情報も公平に提供する体制が必要と判断した。2008年導入を目指す。
金融審議会(首相の諮問機関)が10月に開く会合で議論。公認会計士法か金融商品取引法の関係政省令の改正を目指す。
米国は会計事務所が会社側と監査意見を巡り対立し解任された場合、企業が提出する臨時の法定開示書類の中で、意見表明するよう求めている。金融庁も米国の手法を参考に、企業が監査法人の解任を公表する資料の中や臨時の有価証券報告書などで監査法人側の意見も開示を義務づける案などを検討する。
監査法人は監査先企業に粉飾決算の兆候を発見したら、不適正意見を出す方針や監査人を辞退する意向を伝え、決算修正を迫る。しかし、企業側が監査法人の要求に応じず、解任する例もある。その場合、上場企業は証券取引所の適時開示規則により、監査法人の交代を投資家に公表する。
監査法人は正当な理由なく企業と結んだ守秘義務契約を解除することができない。年1回の株主総会で意見を表明できるが、実効性が乏しいとの声がある。金融庁は解任された場合について、「現行法でも守秘義務解除の正当な理由になる」との解釈を示しているが、監査法人側は企業からの訴訟を恐れ、即座に反論する例はほとんどない。
今年に入り監査法人の変更を発表した上場企業は少なくとも約80社。主に中央青山監査法人に対する金融庁による業務停止命令を機に変更したものだが、監査法人は監査を厳しくしており、企業側が解任するケースも増加するとみられる。