9月の企業短期経済観測調査(短観)
日銀が2日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス24となり、前回6月調査に比べ3ポイント改善した。改善は2期連続。設備投資は引き続き高水準で、雇用情勢も拡大している。ただ米経済の減速などを背景に3カ月後の先行きは3期ぶりの悪化予想となった。日銀は追加利上げの時機を引き続き慎重に探る構えだ。
今回の短観は日銀が7月にゼロ金利政策を解除した後初めて。業況判断指数は景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値で、大企業製造業のDIは2004年9月調査以来の高水準となった。堅調な需要のほか、為替相場で主要通貨全体に対して円安基調が続いていることが追い風になった。
業況判断指数を業種別にみると、国際商品相場の上昇基調を受け、鉄鋼や非鉄金属など素材業種で景況感が大幅に改善した。自動車用鋼板などの輸出が堅調な鉄鋼が前回比14ポイントの大幅上昇となったほか、非鉄金属も同13ポイント改善のプラス41となり1991年5月以来の高水準となった。
製造業全15業種のうち、横ばいを含めて12業種で景況感が改善。大企業非製造業は不動産が同6
ポイント改善したが、飲食店・宿泊が同6ポイント悪化するなど全体では前回と同じプラス20だった。
一方、設備投資は引き続き高水準となった。06年度計画は大企業製造業で前年度比16.9%増と前回より0.4%上方修正された。9月調査としては04年度(20.7%)以来の高い水準。非製造業を含めた全産業では同11.5%増で、90年度(14.8%)以来の増加幅を見込む。
堅調な設備投資は企業の人手不足感につながっている。雇用の過不足感を示す雇用人員判断指数
は、すべての規模、業種で不足超過(マイナス)方向となった。全規模全産業ではマイナス8となり、不足感は前回に比べ3ポイント拡大。
3カ月先の業況を予想する先行き指数は、大企業製造業で3ポイントの悪化を見込んでいる。先行き悪化見通しは3期ぶり。非製造業では1ポイントの改善を見込んでいるものの、米国経済の減速やIT(情報技術)関連分野での在庫調整に対する懸念もくすぶり、先行きを慎重にみている企業が多い。
▼企業短期経済観測調査(短観)
日銀が景況感や収益状況などを把握するために民間企業を対象に3カ月ごとに実施している調査。「良い・悪い」「過剰・不足」などの選択肢から回答した結果を指数化している。
対象企業が多く、直近の景気を比較的正確に映し出す統計として注目度が高い。今回の調査対象は9863社で回答期間は8月30日−9月29日。