Top > 10貯蓄投資 > 地銀初のラップ口座 富裕層向け投資商品

個人の資産運用を金融機関が一括して引き受ける「ラップ口座」が、地方銀行にも波及してきた。東京都を地盤にする地銀の東京都民銀行は28日、10月2日から「ラップ口座」の取り扱いを地銀として初めて始めると発表。「ラップ口座」をめぐっては、大手銀行が今年に入って続々と参入。富裕層向けの有力な投資商品として注目されており、今後も各行の参入が相次ぎそうです。

 都民銀は、証券仲介業で提携している新光証券にラップ口座を取り次ぐ形態で参入する。証券仲介業を利用してラップ口座に参入するのは、みずほ銀行に次ぐ。取り扱いは都民銀個人営業部のみで、最低預かり金額は2000万円。

 都民銀は、富裕層向け商品として投資信託や外貨預金などを取り扱っているが、ラップ口座への参入により「契約者拡大の通じ、顧客基盤の拡充が期待できる」(経営企画部)と判断した。
 ラップ口座の取り扱いは証券会社が先行しているが、証券仲介業などを通じた銀行の参入も本格化している。

 5月からみずほ銀、三菱UFJ信託銀行が銀行として初めて取り扱いを開始。最低預かり額はみずほ銀が2000万円、三菱UFJ信託が3000万円。三菱UFJ信託は現在までに50億円弱、100件強の契約を獲得。「予想を大きく上回るペース」(リテール企画推進部)と、自信を深めている。
 一方、三井住友銀行は07年3月末までに大和証券、SMBCフレンド証券と提携して参入する。最低預かり額はそれぞれ10億円、2000万円に設定する。

 各行がラップ口座に参入するのは、個人金融資産が預貯金から投資に移行する中で、富裕層向けの投資商品としてニーズが高まっているため。特に、2007年から始まる団塊世代の退職金の受け皿として期待をかけている。
 ラップ口座が注目を集めるようになったのは、04年4月の規制緩和。証券会社や信託銀行が投資顧問業を兼営できるようになり、ラップ口座を取り扱えるようになった。証券界では野村証券や大和証券、日興コーディアル証券などが先行しており、預かり額を増やしている。

▼ラップ口座
 金融機関が預かった資産を、顧客の大まかな方針に従いながら独自のノウハウで運用するサービス。投資一任運用サービスともいい、運用方針を決める際、証券会社などは専門的な立場からアドバイスする。通常の株式取引だと顧客は売買のたびに手数料を支払うが、ラップ口座は預かり資産の額や運用で生じた利益に応じて手数料を支払う。
 日本証券投資顧問業協会が集計した契約状況によると、3月末時点で契約総額は3441億円、契約件数は2万3550件で、1件当たりの平均契約金額は約1460万円。